捏ね上げ生地温度を適正にするための仕込み水温の考え方

▶︎パン作りのコツ・ポイント

パンをふっくら柔らかく、おいしく焼き上げるためには
生地作りがとても重要です。

伸びやかさや、柔らかさなどの生地のでき上がりの感じもですが
捏ね上げた生地の温度が大切なんです。

今日はこの 

『捏ね上げ生地の温度を気にすることがパン作りではとても大切』

といことについてお話ししてみたいと思います。

捏ね上げた時の生地の適正温度


いつもパン作りの初心者の方にはまずは適正な生地作りが
大切です
とお伝えしています。

手捏ねであっても機械捏ねであってもまずは

・グルテンがしっかりとできるまで捏ねられているか?
・捏ね上げ温度は適正か?・

これを重視しています。

しっかり生地が捏ねられているかはレッスンで一緒に作っていくことで
だんだんとコツがわかってきますが

もう一つ意識して欲しいのは

捏ね上げ温度が適正な温度になっているか?

ということ。

この生地の捏ね上げ温度については私の教室では
「捏ね上げ生地温度は26〜28℃にしてください」としています。

写真のバイメタル式温度計はJHBSの講師をして使っていた15年前くらいのもので
今でも健在です。長持ちしていますね〜。

こちらはデジタル式温度計

私はデジタル式も持っていますが、
・生地に差し込んでから計測温度が定まるまでに時間がかかること
・電池交換が面倒
という理由でバイメタル式温度計を愛用しております。

こんな風に捏ね上がった生地の中心温度を計ってくださいね。

材料の配合や製法の違いで適正生地温度は変わってきますが
Basicコースはインスタントドライイーストを使ったストレート法ですので
いちばんスムーズにパン作りの工程が進んでいくようにしています。

生地の捏ね上げ温度を26〜28℃くらいとしているのは
イーストが発酵しやすい環境がこの温度だから
なのです。

教室ではこちらのイーストを主に使用しています。

イーストが活発になる温度は28〜35℃くらい。
45℃を超えてくるとかなり元気がなくなってきます。

60℃を超えるとイーストは死んでしまいます。

私はレッスンで生徒さんに


「パン作りは自分が心地い環境(温度や湿度)の中で行ってください。
 赤ちゃんのお世話をしている時のような優しい気持ちで生地を扱うと

 パンも喜んでおいしくなります」

と笑ってお話しすることがあります。

赤ちゃんがいるお部屋の温度は
過ごしやすく調整してあげますよね。

夏場にエアコンも入れずに汗を流しながらパンを作っていると
生地の捏ね上げ温度も高くなり、過発酵になりやすい。


過発酵のパンはバサついたりアルコールの嫌な匂いがしたりで
美味しくなくなります。

反対に冬の寒い時期ブルっとするほど寒い環境でパンを作れば
生地温度も低くなり、発酵不足の硬いパンになってしまうことも。。。

パン生地は生き物だという意識を持つといいかもしれませんね。

でも、エアコンを入れて部屋の環境を良くしてみても
日本の気候は寒暖差が大きいです。

水道水の温度ではどうしても生地温度を適正にするのが
難しいかもしれません。

その場合はどうするかというと
パン生地を仕込むときの水の温度を調整するのです。

ですが、パン作り初心者でまだ何度の水を使ったらいいのか
きっとわからないのではと思います。

そんな時は

仕込み水の目安温度を決める計算方式

というものがありますのでこちらの計算式を使ってみましょう。

仕込み水温度の目安を決める計算式

パン作り初心者の時はまだ経験があまりないので、生地を触った時に
発酵の様子などが感覚ではまだわかりません。

生地温度を適正にすることで失敗を防ぐことができます。

仕込み水の温度を調整して捏ね上げ生地温度が
26〜28℃になるようにしていきましょう。

仕込み水温度の目安を決める計算式

(捏ね上げ生地温度ー摩擦係数)×3ー(室温粉温)=仕込み水の温度

なんか数字の苦手な方には難しく見えるかもしれません。

ではここで実際に数字を当てはめてみましょう。
そのほうがわかりやすいと思います。

例えば私の教室では、先日もBasicコースのレッスンがあったのですが
その時の環境は次の通りでした。手捏ねで生地を作ります。

室温・・・24
粉温・・・23
捏ね上げ生地温度・・26℃に設定
摩擦係数・・

『摩擦係数』とは捏ね始めから捏ね上げまでに自然に生じる生地温度の差を表します。
*モーター熱や容器に熱がこもりやすい機械捏ねの場合は5℃〜10℃くらい
手捏ねの場合は0℃〜5℃くらい

今の時期は私の経験上、摩擦係数4℃としました。

この数字を計算式に当てはめていきましょう。

*******************************

(捏ね上げ生地温度ー摩擦係数)×3ー(室温粉温)=仕込み水の温度
( 26ー 4 ×3ー ( 24 23 ) ??
 22 )  ×3ー  ( 47 )   = ??
66  ー     47    = 19

********************************

計算式から出た結果の仕込み水の温度は19℃でした。

実際のレッスンでは20℃の仕込み水で4名の生徒さんに捏ねてもらったのですが
捏ね上げ生地温度は26〜30℃とさまざま。

この違いは捏ね方や手の温かさの違いなど
色々な要因が関わってきます。

手が温かい方はもう少し水の温度は少し低めにしてもいいかもしれませんね。

レッスンではお一人お一人に合ったアドバイスをしています。

一年を通してパンを作っていって慣れてくると
季節ごとの大体の仕込み水の温度がわかってきますから
毎回計算しなくても良くなりますよ。

捏ね上げ生地温度を適正にするための仕込み水温の考え方ーまとめ

パン作り初心者が失敗を防ぐための重要なポイントは
捏ね上げ生地の温度が26〜28℃になるようにすることです。

仕込み水の温度を調整することでその後の工程がスムーズになり
おいしいパンが焼けるようになります。

ご家庭の室温や粉温などを計算式に当てはめてみて
生地の捏ね上げ温度が適正になるようにしてみてくださいね。

計算式はあくまで目安なのでピッタリその通りになるとはいきませんが、
パンを作った時に室温と仕込み水の温度、捏ね上げ温度を記録しておくと
この室温ならこれくらいの水温でOKとわかってきます。

家庭でのパン作りの参考になれば幸いです。

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