パン作りにおける塩の役割とはー塩を入れ忘れたらどうなる?

▶︎パンの材料・特徴・扱い方

パン作りをされる方はご存知だと思いますが
塩はパンの必須材料の一つです。

基本パンは次の4つの材料があれば作ることができます。

・粉
・酵母(イースト、天然酵母など)
・塩
・水

砂糖やバターやショートニングなどの油脂類、
卵、スキムミルクや牛乳などは入っていなくても
この4つがあればパンを焼くことができるのです。

もし、この4つの材料のうち
塩を入れ忘れたらどうなる?
反対に入れすぎたらどうなる?

たった少しの量でもパン作りに塩は
重要な役割をもっています。

今日はパン作りにおける
塩の役割について書いていきます。

パン作りにおける塩の役割

パン生地に塩を入れるのはなぜか?
塩の役割は主に4つあります。

1. 味付け、旨み
2.生地をひきしめる
3.発酵を抑制する(焼き色がよくなる)
4. 殺菌効果

生地作りの段階や焼き上がったパンに
どのような影響があるのでしょうか?

塩の役割1ー味付け、旨味

私は20年以上パン教室をしていますが
失敗をすることは今でもあります^^;

今までで一番多かった失敗は「塩」の入れ忘れ。

結論で言うと、塩を入れ忘れたパンは
とにかく「美味しくない」です。

パンの味にかなり影響します。

塩の役割はとても大きいのです。

機械捏ねの場合、計量して捏ね始めたら
ほとんど機械におまかせなので
捏ね機の中の生地をずっと観察している
ということはないですよね。

手捏ねだと、いつもと何か違う?
生地の様子が変だと気づくことも
あるのですが、

機械捏ねの場合
塩の入れ忘れに気づくのは
焼き上がってからということも多いです。

家庭で使われているニーダー例

もしかして塩を入れ忘れたかも?
と思ったときは捏ねている途中で
生地の味見をしますが

ほんの少し口に入れてみただけで
塩が入っていないとすぐにわかります。
(ごく少量なら大丈夫かと思いますが小麦粉は加熱していないと
 お腹の調子が悪くなることがあるので要注意)

塩が入っていないパンは
とてもおいしいとはいえません。

パン生地に入れる塩の量

塩は粉100gに対して1〜2%程
配合されている場合が多いです。
菓子パンや長時間発酵のパンなどは
もっと少ない場合もあります。

例えば粉量が100gに対して
塩は1〜2gということですから、
とても少ない量のように感じます。

でも、このごく少量の塩がパンの味に
とても重要な役割
をしているんです。

お料理でもほんの少し塩を入れたら
味が決まった!ということがありませんか?

ほんの少しの塩で味がグッと変わります。
パンもシンプルな配合ほど使う塩によって
味が変化することもあります。

塩の役割その2・・生地を引きしめる

塩を入れ忘れた生地は
生地作りの時にも影響します。

ベタベタしたり、張りがなく
コシが弱く
なってしまいます。

私は以前はニーダー捏ねのレシピで教える
スクールの認定教室をしていたので
その頃はいつも機械で生地作りをしていました。

機械任せで生地を捏ね上げ
そのまま蓋をして仕上げ発酵。

いつもとちょっと違う生地感でも
「今日は少し発酵しすぎたかな?」くらいで
工程を進めてしまうことがありました。

焼き上がって食べてみて初めて
『塩を入れ忘れていた〜』と気づくという
残念なことを何度か経験しています。

手捏ねをするようになってからは
生地をずっと手で触っているので

捏ねている早い段階で
いつもと何か違うと異変に気づきます。

ベタついてまとまりが悪かったり、
コシがなくゆるゆるした感じで
少し生地の様子が違うのです。

その段階で気づいて塩を入れることができたら
美味しいパンにするのにはまだ間に合います。

でも、ホームベーカリーやニーダーで捏ねていると
気づかずに一次発酵に入ってしまうことが
多いかもしれません。


一次発酵後からの塩入れは
難しいかな〜と思いますので、
機械捏ねの場合は特に注意しましょう。

塩の役割その3・・発酵を抑制する

塩が入っていない生地は
発酵の進みがが早くなります。

酵母は糖によって活性化する
酵素を含んでいます。

これらの酵素の働きで
アルコールと炭酸ガスが発生して
パンは膨らみます。

塩を加えることで酵素の活性が抑制されて
発酵しすぎてしまうトラブルを防ぐことができます。

一次発酵で今日はなんだか
いつもより発酵が早い?

生地にコシがない?過発酵?
といつもと違うことに気付いたら
塩を入れたかどうか確認してみると
いいかもしれません。

塩を入れない生地はどうなるか実験

前に塩を入れない生地を作って
発酵速度や仕上がりの違いみる
実験をしたことがあります。

結果は
・過発酵になった
・焼き色が薄かった

上の画像の生地は既に過発酵状態

私を入れなかった生地は通常よりも
かなり早く膨らんで発酵

発酵を抑制する役割もある
塩の効果は大きいなと感じました。

焼き上がったパンの様子焼き色が薄く
色付が悪かったです。

下の写真左が塩なし、右が塩あり。
この写真では差が分かりにくいかも?ですが・・・
塩なしの焼き色が薄いですね。


酵母が糖分を分解して発酵するので
発酵が進むにつれて生地の中の糖分が
少なくなっていきます。

生地中の糖分は焼き色がつく要因になっており
糖分は少ないと焼き色も薄くなります。

塩の役割その4 殺菌効果

塩には雑菌増殖の防止の役割も持っています。

ですが、酵母は菌です。

塩の量が多かったりイーストに直接触れたりすると
菌が死んでしまう可能性もあり、発酵しずらくなるなど
影響が出てくる場合もあります。

塩を入れなくてもパンは作れるの?

パン作りで塩は重要な役割がある
ということが分かりましたが

では塩を入れないと
パンは作れないのでしょうか?

結論からいうと
材料の配合に工夫して
発酵状態などに気をつければ
塩抜きでもパンは作れます。



病気で塩分制限が必要な方には
無塩パンが提供されています。

塩を入れ忘れた生地はどうすればいい?

塩が入っていないパン生地は
思ったより早く発酵が進んでしまい
過発酵になってしまう可能性があります。

発酵は短めにしましょう。

塩が入っていないパンは
シンプルなままだとあまり
美味しくは食べられません。

しっかり目の味のついた
惣菜パンにするのがおすすめです。

焼き上げてから塩の入れ忘れに気付いたら
薄く切って並べてピザにするとか
パン粉にするなどして

できるだけ捨てずに
消費したいものですね。

反対に塩を入れすぎたらどうなる?

塩には殺菌効果もあります。

食べたらもちろんしょっぱいですし
体に良くないです。

ですので、塩の量は粉に対して
2%以上は入らないように
計量するときは間違えないように
気をつけましょう。

塩を入れすぎたパンは
発酵しにくいなどの影響もあります。

塩の種類について

塩はいろいろな種類があり
同じ量を入れても少し味に
違いがで出ることもあります。

パン作りに慣れるまでは
普通の乾燥したサラサラの塩を使った方が
安定した味になります。(食卓塩はNG)

私の教室ではごく普通のスーパーで売っている
食塩を使用しています。

他にもパンによっては
ゲランドの塩を使うこともあります。

ゲランドの塩はフランス産の天然塩でミネラルが豊富、
しょっぱいだけでなく味わいのある塩です。

シンプルな配合のハード系のパンや
フォカッチャなどを焼くときに使っています。

料理でもお魚やお肉にゲランドの塩を使ったら
シンプルですが普通の食塩で作るより
なぜだか美味しいです。

他にもいろいろな塩があります。
慣れてきたら塩を変えて作ってみるのもいいですね。
(塩の種類により、生地作りや発酵に影響する場合もあります)

パン作りにおける塩の役割ーまとめ

塩はパン作りに必要な材料です。
塩の使用量はごく少量ですが
パン作りにおいては塩が
重要な役割を果たしています。

1. 味付け、旨み→おいしくなる
2.生地をひきしめる→扱いやすい
3.発酵を抑制する→過発酵を防ぐ
4. 殺菌効果→雑菌の増殖防止

計量は間違えないように正確に
入れ忘れにはくれぐれも注意しましょう。

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井上 ともこ

愛知県瀬戸市パン教室MocoMoco Kitchen  井上智子です。
2021年から講師としてのべ4000人にパン作りを指導し、販売(不定期)も
している経験から、家庭製パンでもお店レベルのパンが焼けるように、理論を学び技術をスキルアップできるパン教室をしています。
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この記事を書いた人
井上 ともこ

愛知県瀬戸市パン教室MocoMoco Kitchen  井上智子です。
2021年から講師としてのべ4000人にパン作りを指導し、販売(不定期)も
している経験から、家庭製パンでもお店レベルのパンが焼けるように、理論を学び技術をスキルアップできるパン教室をしています。
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