パン作りには基本の行程があります。
パン生地を捏ねる → 一次発酵 →分割/丸め → ベンチタイム→
成型 → 仕上発酵 → 焼成
コースレッスンではどの行程でも一つ一つ意味があるということ、
そして、成功しやすい技術的なコツもお伝えしています。
今回はパン作りの行程のうち、分割後の丸めについてのお話です。
捏ねることや発酵もパンの出来上がりに大きく関わってきますが
この分割後の丸めも仕上がりに影響してきます。
意味のない丸めをしていませんか?
パン作りの初心者がやってしまいがちな丸め方は
お団子を丸めるように手を上から被せるようにして
コロコロ丸めてしまうやり方です。
これではパン作りの上での丸めをする目的とは違っていて
意味がない丸め になります。
こんな感じですね。
![](https://mocomocopan.net/wp-content/uploads/2023/01/ダメな丸め-1024x645.jpeg)
生地の表面は傷んでしまうし、張らせることはできません。
丸める意味を知れば
どのように丸めたらいいかがわかるようになります。
パン作りで丸めをする意味
パン作りの行程の丸めは表面を張らせる作業のことです。
表面を張らせて丸めるのには実はとても大切な意味があるのです。
1. 分割したときの断面を他の部分の生地と均一な状態にする
2. ガス抜きをする
3. ベンチタイム中にも発生する炭酸ガスを逃さないようにする
4. 成型しやすくする
このような目的が果たされていれば
絶対に形は丸くしなければならないというわけではなくて
作るパンによって違う形を変えることもします。
丸める作業で大切なのは
・きれいな面で覆うこと
・断面が出ていないこと
・つるんと生地の表面が張っていること
このようにするためには分割の仕方も
細切れにしないようにするなど気を遣わないといけませんが
分割の仕方についてはまた別の機会にお話ししたいと思います。
さて、きれいな面で覆うとはどのように?
きれいな面とは下↓の写真のようにカットした断面などがなくて
きれいで面積の広い面のことです。
![](https://mocomocopan.net/wp-content/uploads/2023/01/丸め綺麗な面-1024x715.jpeg)
小さくカットしたものがあれば下↓の写真のように
きれいな面を下にして台の上に置き、細かな生地を上に置いてから
二つ折りにして中に入れ込んでしまうといいですね。
![](https://mocomocopan.net/wp-content/uploads/2023/01/分割細切れ.jpeg)
断面が表面に出ているというのはこういう状態
この場合はカットした面が中に入り込むように丸めます。
![](https://mocomocopan.net/wp-content/uploads/2023/01/カットした断面.jpeg)
カットした断面が表面にくるような丸めをすると
ガスを保持する力が弱まってしまいます。
細かくカットしてしまった生地やカットした断面は
中に入れ込むように丸め、きれいな面で覆うようにしましょう。
きれいな面でつるんと表面が張った状態とはこういう感じです。
![](https://mocomocopan.net/wp-content/uploads/2023/01/丸め張り.jpeg)
このように、丸めの作業一つでも
後々のパンの出来に影響するのでとても大切なんですよ。
丸める強さも気を付ける
表面を張らせるだけでなく、丸める強さも重要です。
ふふよふよとして丸めが弱いとボリュームが出なかったり
焼き上がりの表面がシワシワになる原因に
強く丸めすぎるとベンチタイムでゆるまず
成型するときに縮んでしまい何度もめん棒を当てて
生地を痛めてしまうこともあります。
丸めは丸くするだけではなく成型のしやすい形に
![](https://mocomocopan.net/wp-content/uploads/2023/01/円錐形でベンチ-1024x677.jpeg)
前にも書いたように、丸めるといっても
形はまん丸にするばかりではありません。
次の成型でどのような形にするかによって
楕円、円錐形、四角目になど変えることがあります。
上の写真はバターロール
円すい型にしてからも少しベンチタイムを取り
成型しやすくしています。
パン作り 分割後の丸めをする意味 まとめ
パン作りの行程の丸めは表面を張らせる作業のことです。
その意味を知ってうまく丸められるようになれば
手作りパンの味や見た目の仕上がりがワンランクアップします。
いつもの丸めをちょっと気を使ってみてくださいね。
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