定番になってきたクリスマスの発酵菓子
クリスマスのお菓子として
近年では日本でもお馴染みになってきた
『シュトレン』
日本では『シュトーレン』という場合が多いですが
本場ドイツでは「シュトレン」だそうですよ。
*写真は私が毎年限定販売で作っているものです。
お馴染みになってきたとはいえ、
「シュトレンってどんなものか知りません!」
「聞いたことはあるけど食べたことない!」
という方もまだまだみえます。
今回はこの時期になると話題になる
『シュトレン』について
クリスマスに食べられている理由や
日持ちするわけは?など
シュトーレンのことを書いてみたいと思います。
シュトレンってどんなもの?
シュトーレンはクリスマスの約1ヶ月前から
準備期間を楽しみ少しずつスライスして食べる
ドイツ発祥の発酵菓子。
シュトレンをクリスマスに食べるのは
日本の文化ではなかったですよね?
でも、ここ数年は販売しているお店も多く
味のバリエーションも広くいろいろな
シュトレンが作られています。
お店によって特徴があるので
好みの味に出会えるかどうか?
ちょっと不安なとことろもありますね。
シュトレンはお値段が結構するものなので
味見のために試しに何個も購入することは
なかなかできないかもしれませんね。
初めてのお店で購入するときは
ちょっと冒険的な感じかも・・
写真は毎年私が作り
販売もしているシュトレンです。
毎年レシピを変えたりの
冒険はしていません。
『あの味を楽しみに12月に食べたい』
というリピーターさんのために
同じ味で毎年作り続けています。
使われている主な生地材料は
小麦粉、バター、砂糖、塩、
イースト(酵母)、牛乳、水など
私は中種法でいたって
シンプルな配合で作ります。
バターたっぷりでとってもリッチな生地
シュトレンにはマンデルシュトレンや
マジパンシュトレンなど種類がいくつかあって
それぞれに粉に対してバターが30%以上とか
ドライフルーツが60%以上ナッツが・・
などの定義があるようです。
仕上げに砂糖をたっぷりかけて
コーティング!
相当な高カロリーですね。
販売されているシュトレンはスパイスや
お酒がかなり効いているものもあり
これは好みが分かれると思います。
そんなリッチな生地に
洋酒に漬けたドライフルーツやナッツなど
たっぷり混ぜ込まれているのがシュトレン
自分で作れば混ぜ込むドライフルーツや
ナッツの種類も好みによって変えることが
できますね。
マジパン(アーモンドの粉と砂糖で練ったもの)
が入っているとより風味がよくてしっとり!
これがあると美味しさUPです。
他にも和風シュトレンといって
抹茶や栗を入れたものも
みかけるようになりました。
私はまだ食べたことがないのですが。。。
想像するだけで美味しそう。
抹茶のほろ苦さで甘さも控えめ??
あくまで想像(笑)ですが・・
今度作ってみようかな?
シュトレンの形には意味がある?
シュトレンの形は大体同じような
長細い形で作られているかと思います。
この形にも意味があるそうです。
シュトレンという名前はドイツ語で
『坑道』という意味で断面が
トンネルのような形をしていることから
この名前がつけられたという説
他にも表面が真っ白になるほど
砂糖がたっぷりまぶされていて
その真っ白な姿が
『白い産着に包まれた幼子イエスキリスト』
をイメージしているとも伝えられています。
シュトレンの歴史
シュトレンの歴史はとても古く、
1329年にドイツのナウスブルクという都市で誕生し、
当時の司教への「クリスマスの贈り物」として
捧げられたという記録が残っています。
当時のカトリックはクリスマス前の
約4週間は断食期間でバターやミルクは禁止
なのでシュトレンも燕麦の粉や
菜種油など質素なものだけで作られていて
それほど美味しいものではなかったそう。
この材料だけで作る味、、
想像するだけであまり美味しいとは思えないですね。
それが1491年、教皇イノセント8世が
教会の建設費用と引き換えに
「菜種油ではなくバターを使用してよい」
という許可をローマ法王からようやく
引き出すことができたそうです。
それによって、今のバターや
フルーツやナッツなどがたっぷり入った
美味しいシュトレンになったとのこと。
「この時にバターの使用が許可されなかったら
今のシュトレンにはなっていなかったのかしら?」
熟成していく味の変化が楽しめる
ドイツの習慣ではクリスマスを待つ間に
シュトレンを少しずつスライスして
食べていきます。
作ってから日ごとに熟成が進んで
フルーツや洋酒の風味が生地に移っていき
味わいが変わっていくのも楽しみの一つ。
クリスマス前の約4週間ほどの期間に
日に日にクリスマスの日が近づいてくるのを
楽しみながらすこしずつ食べる
というのが本来のシュトレンの食べ方です。
とはいっても毎年
「美味しくてクリスマスまでもたなかった〜」
という人もいるほど人気のシュトレン。
高カロリーなので
食べ過ぎには「要注意」です!
パンもお菓子も自分で作ると
使っている材料や分量がよくわかります。
本来の食べ方の通り少しずつ
食べるようにしましょうね。
シュトレンが日持ちする理由
このように長期間かけて食べるシュトレンは
どうして日持ちがするのでしょうか?
その理由はこの3つ
・バターがたっぷりで水分が少なめの生地なので腐敗しにくい
・フルーツを漬け込んだ洋酒のアルコールの効果で雑菌の繁殖を防止
・バターと砂糖をたっぷりコーティングすることで酸化や
外からの雑菌をガード
という理由から日持ちがするのです。
シュトレンのカットの仕方
さて、このシュトレンですが
スライスするときに端から
カットしてしまいませんか?
これ、知らない人もまだ多いようですが
シュトレンは真ん中からカットするのが正解。
表面はバターや砂糖で覆われているので、
カットした面を合わせてひっつけておくと
乾燥したり細菌の繁殖も防ぐことができます。
端からカットしたら断面が出てしまい
乾燥したり雑菌に触れて日持ちが悪くなります。
真ん中で必要な分をカット
『少しづつスライスして食べる』
というのが本来の食べ方です。
真ん中をカットして残ったシュトレンは
左右の切り口通しをくっつけて
ラップでピッタリ包みましょう。
さらにジプロックなどの
保存袋に入れておくのがおすすめです。
シュトレンの保存場所
シュトレンは常温で保存しておきます。
そのほうが熟成もして、
冷蔵庫で保存するときのように
硬くなったり乾燥するのを防げます。
でも室温の場合20〜25度前後が安心です。
暖房の効いているお部屋は
保存には向いていません。
心配なら冷蔵庫に入れてるのもいいですが
その場合は乾燥や匂い移りを防ぐ対策が必要です。
保存期間が長くなるなら
冷凍保存もできます。
シュトレンの歴史や食べ方を知ると面白い まとめ
クリスマスが近づくと
『シュトレン』という言葉を耳にしたり
お店で売っているのを見かけるようになります。
・シュトレンって何?
・クリスマスの時期に食べる理由は?
・食べ方や保存方法は?
と思っている方の参考になれば嬉しいです。
さて、今年も美味しいシュトレンを
いっぱい仕込んでみなさまに
お届けしたいと思います。
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