パン作りに欠かせない「捏ね台」(作業台)。
だけど、いざ用意しようとすると
「木製?人工大理石?シリコンマット?」と、
選択肢がたくさんあって迷ってしまいますよね。
実際に、私のパン教室でも
「どんな捏ね台が一番いいんですか?」
という質問をよくいただきます。
結論から言うと、パンの種類・作業スタイル
収納場所・予算によって最適な台は変わります。
この記事では、それぞれの特徴を
わかりやすく解説しながら、
パン作り初心者さんでも失敗しない
捏ね台の選び方をお伝えします。
木製?人工大理石?パン捏ね台の選び方|初心者でも失敗しない選び方と活用術

材質や大きさもさまざまな捏ね台について
メリット、デメリットや実際に私が使ってみて
感じたことなどを書いていきますね。
木製ボード|やさしい使い心地と作業のしやすさが魅力
⚫︎手捏ね派におすすめ!
生地が冷えにくい木のぬくもり
木製ボードの最大の特長は、
冷たくなりにくいという点。
パン生地は温度によって発酵状態が変わるため、
作業中の生地温度が安定するのは大きなメリットです。
たとえば、柔らかいロールパンや菓子パン生地など、
しっかり捏ねて適正温度にして発酵させたい
そのような生地は木製ボード向き。
冷えすぎることがないので、手捏ねでも安心して使えます。
⚫︎成形しやすい目盛り付き&コーティング仕上げ

最近は目盛りがプリントされたタイプも増えていて、
生地を均等に伸ばしたいときにとても便利です。
「食パンの型にちょうどいいサイズに伸ばしたい」
「バターロールを同じ大きさにしたい」
「折り込み生地を指定サイズに伸ばしたい」
「分割した生地を置くスペースがほしい」
そんなときにサポートしてくれます。
また、コーティングされたタイプは
生地のくっつき防止にもなり、
特にベタベタした生地を扱うときに
ストレスが少ないです。
⚫︎実際に使ってみた感想と注意点
私は通販で購入したcottaさんの
大きな木製ボードを使っています。
クロワッサンを折り込み成形するときなどは、
生地を長く伸ばせる広さがとても重宝します。

「大は小を兼ねる」と言いますが、
置き場の確保さえできれば
大きめサイズのほうが断然便利です。
⚫︎木製ボードにはデメリットもあります。
⚫︎傷がつきやすい
⚫︎滑り止めがないものが多く、ズレることも
⚫︎大きい分、収納場所の確保が必要
⚫︎やや価格が高め

滑り止め対策としては、
100均などで売られている
滑り止めマットか
この後紹介する
シリコンマットを
下に敷くのがオススメ。
また、表面がコーティングされていない
ただの木の板やまな板では生地がくっついたり、
水分を吸ってしまうので捏ねにくくなり
生地が硬くなりやすいので要注意です。

人工大理石ボード|あらゆる生地作りに適している!清潔&滑らかな使い心地

表面ツルツルで衛生的、お手入れ簡単
人工大理石ボードは、表面が滑らかで
汚れが落ちやすく、衛生的なのがポイント。
手捏ね後の粉や油分も
サッとひと拭きでキレイになるので、
洗い物が苦手な方にも向いています。
冷却性があるので、バターを扱う生地に最適
バターをたっぷり使うクロワッサンや
菓子パン生地などは
作業中にバターが溶けてしまうと
扱いにくくなります。

人工大理石ボードは生地の温度を
冷たく保ちやすく、
バターの溶け出しを防いでくれるので、
特に夏場や暖房のきいた部屋での
作業に役立ちます。
実際に教室で使ってみた感想
私の教室では、生徒さん用に
人工大理石ボードを人数分用意しています。
しっかりと重みがあり、
裏面には滑り止めもついているので、
成形作業ではまったくズレずに使えて
とても便利です。

ついているものを選ぶと便利です。
人工大理石ボードのデメリットと選び方のコツ
- 重たいので、洗うのが少し大変
- 冬場は冷たくなりすぎて、生地温度が上がらず苦戦することも
- 収納スペースが必要
特に冬の手捏ねには向かない場合もあります。
季節によって使い方を工夫して
生地温度がベストになるように
調整が必要になるかもしれません。
シリコンマット&カウンター天板|
収納・スペースにお悩みの方へ
最近人気が高まっているのがシリコンマットです。

シリコンマットの特徴と活用術
- クルクル丸めて収納できる
- 価格が手頃
- テーブルにぴったり密着し、滑り止めにもなる
- 目盛り付きで成形に便利
パンを分割したり、成形したりといった
ちょっとした作業にはぴったりです。
ただし、柔らかく薄いため
手捏ねには不向き。
力を入れるとめくれ上がってしまい、
しっかり捏ねるのが難しいと感じました。

実は使える!キッチンカウンターやダイニングテーブル
「専用の捏ね台を買う場所も予算もない…」
という方には、キッチンカウンターや
ダイニングテーブルの天板を活用する

という方法もあります。
- 作業中にズレる心配がなく、安定感バツグン
- ちょうど良い高さで腰が痛くなりにくい
キッチンカウンターのデメリット
ステンレスや人工大理石の天板は
冷たくなりやすいので注意が必要です。
あと、もう一つ注意して欲しいのが
食洗機がキッチンカウンターに
設置されているタイプ

食洗機を使用中や使用後時間が経っていないと
逆にカウンターの温度が上がってしまうんです。
オンラインレッスンで数人の生徒さんと手捏ねをしていると
お一人だけ妙に生地温度が上がることがありました。
同じような環境で捏ねているのに
不思議に思っていると・・
食洗機を使った後でカウンターが
温まっていたことが判明しました。
私のキッチンは食洗機はないので
気づかなかったことですね。
お家によってキッチンのタイプは多種多様です。
オンラインレッスンでは環境や道具の違いを
いろいろと知ることができて気づきも多い。

対面レッスンでは経験することのできないこと
それをオンラインレッスンでは体験できるので
講師としてはとても勉強になります。
みなさんのお家のキッチンは
いかがでしょうか?
ステンレス、人工大理石
ホーローのキッチンカウンターなど
いろいろありますが・・・
工夫して温度管理をして消毒を
しっかりすれば問題なく使えますよ。
「捏ね台は必ず買わなきゃいけない」と思わず、
あるものを上手に使うという柔軟な発想も大切です。

自分にぴったりの捏ね台を選ぼう!
パン作りを始めたいけど、
「道具選びでつまずくのが不安…」
という方はとても多いです。
でも、完璧な道具を揃える必要はありません。
木製、人工大理石、シリコンマット、カウンター…
それぞれに特徴や魅力があるので、
あなたのパン作りのスタイルや
頻度に合わせて選べばOKです。

たとえば…
- よく手捏ねする方
→木製ボードor人工f大理石 - バター多めのパンや焼き菓子が多い方
→人工大理石が使いやすい - 作業スペースや収納が限られている方
→シリコンマットで必要な時だけ広げる - なるべく道具を増やしたくない方
→キッチンカウンターやテーブルを活用
まとめ
パン作りは「楽しい」がいちばん!
道具選びは絶対にコレ!という決まりはありません。
ぜひ、無理なく続けられる道具選びをしていきましょう。
捏ね台について動画でご覧になりたい方はこちら
この記事で紹介した捏ね台の特徴について、
動画でも詳しくお話しています。
サイズ感などもわかりますよ^ ^