年間を通してパン作りをしていると、生地作りや発酵など
あらゆる場面で季節による違いを感じることも多いかと思います。
今日はその中でも冬の家庭でのパン作りの一番の問題点、
乾燥についてのお話しです。
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冬のパン作りの一番の敵は乾燥
夏は過発酵になりやすいのに比べて、冬は生地温度の調整は必要ですが
発酵はゆっくりとすすむので余裕を持ってパン作りを楽しむことができます。
デニッシュ系などのバターを多く使うパン作りもしやすいですね。
でも、冬のパン作りで一番の敵は何かというと
乾燥 です。
暖房していると湿度が30%台になっていることもよくありますし、
お肌も乾燥しがちです。
乾燥している手で手捏ねをしていると、
生地が固くなってくる なんて現象も起こることがあるんですよ。
レッスンでも数人の生徒さんが同時に同じ環境で同じ配合で捏ねているのに
生地の硬さや生地温度が違うことはよくあります。
これは誰かと一緒にパンを作っていないと違いがわかりませんが
教室にはいろいろな生徒さんがいらっしゃるので
その違いにびっくりされます。
乾燥している部屋、乾燥している手で捏ねていると
捏ねている間に生地の中の水分を持っていってしまっているんでしょうね。
そのような場合の対処法もレッスンではお伝えしています。
生地が乾燥することによってのデメリット
生地が乾燥するとこんな現象が起きたりします。
・パン生地が膨らまない
・焼いた後の見た目が悪くなる
・バサついておいしくなくない
・日持ちが悪くなる
パン生地が乾燥すると膨らみが悪くなり、ボリュームもでなくなります。
内部の水分も抜けて少なくなっているので
パサついたておいしくないパンになりやすいです。
水分の少ないパンは日持ちもしにくい。
パン生地を乾燥することはデメリットになることばかりですね。
パン生地が乾燥するのはどんな時?
パン生地が乾燥してしまうのは、室内が乾燥してしまう
秋から冬の季節です。
特に暖房を入れるようになると湿度はグンと下がって
30%くらいにまでなってしまうことも・・・
30%台だと喉が渇いたり肌も乾燥してきます。
通常は人にとって適した湿度は40〜60%くらいがいいとされています。
パンを作る時は私の感覚では湿度が50〜60%の環境であれば
生地の乾燥もそれほど気にならないで作業ができるかなという印象。
人が過ごしやすい環境はパン作りもしやすい環境だと
いつもレッスンではお話ししています。
パン作りにおいて生地を乾燥させてしまうタイミングはいくつかあるのですが
そのことについて説明していきますね。
パン作りの行程で生地が乾燥してしまうのはいつ?
パン作りをして乾燥してしまうのは
成型している時というイメージがあるかと思います。
ですが、パン作りの行程の中で生地が乾燥してしまうのは
成型するとき以外にもいくつもあるんですね。
<パン作りで乾燥しやすいとき>
・生地を捏ねているとき
・捏ね上げてから一次発酵(ホームベーカリーも要注意)
・ベンチタイム
・成型
・仕上げ(2次)発酵中
これを見てわかるように、パン作りのほとんどの作業の中で
乾燥は起こりやすいのです。
それぞれの行程でどのように乾燥しやすいのかみていきましょう。
生地を捏ねているとき
パン生地を手で捏ねていると、最初はベタベタしていても
だんだんと生地がまとまってきます。
この捏ねている時にも少しは水分が抜けていっているのですが
空気が乾燥していると、より水分が抜けやすくなります。
空気が乾燥しているときは生地が乾きやすいので叩き捏ねはお勧めしていません。
レッスンでは同じ環境で同じ配合で生地を捏ねていても
しっとりした生地になる人と、水分が少なめの硬めの生地に
捏ね上がってしまう人がいます。
これは、捏ねているその手が水分を奪っていってしまっているということです。
手は潤っていいかもしれませんけど(笑)
捏ね上げてから一次発酵 ホームベーカリーも要注意
捏ね上げの生地温度を最適な状態(通常のパンなら26〜28℃くらい)にします。
その後はボウルに入れてラップや蓋をして一次発酵するのですが
ちょっとした隙間があるだけでも乾燥してしまいますので要注意です。
タッパなどに入れて発酵するのもいいですね。
少量なら100均にある蓋付きのボウルが便利です。
計量から発酵までワンボウルでいけちゃいますよ^ ^
あと、ホームベーカリーで捏ねる場合、
生地作りが終わり、そのまま一次発酵させる時も要注意です。
生地と蓋の間の空間があって、発酵温度の30℃くらいになるように
加熱されています。
ですが、加湿されていないので一次発酵が終わってから
ホームベーカリーの蓋を開けて生地を触ってみると
かなり乾燥していることに気づくはずです。
熱源があるということは空気が乾燥すると思ってくださいね。
ホームベーカリーでもか生地が乾燥しないように工夫をすると
パンの仕上がりも良くなります^ ^
ベンチタイム
一次発酵が終わったら生地を分割し丸めてからベンチタイムをとりますが
この時も空気に触れることによって乾燥してしまいます。
できるだけ短時間で作業を終わらせて
丸めた生地はラップをかけるか、容器に入れてベンチタイムをとりましょう。
濡れ布巾でも大丈夫ですが、ラップも濡れ布巾の場合も
水分量の多い生地の場合は張り付いてしまいます。
剥がすときに生地を傷めてしまうので水分の多い生地の場合は
ボウルを被せたり、タッパなどの容器に入れて蓋をするのもいいです。
パンマットを使用している場合は、マットが生地の水分を吸収してしまうので
必ず別の容器などに移して乾燥しないようにしてベンチタイムをとってください。
マットに触れているところの生地はバリバリに渇いてしまいますよ。
成型時
ベンチタイムが終わると成型に入ります。
パンによって形は様々だと思いますが、時間をかけすぎると
生地はどんどん乾燥していってしまいます。
何個か作っていると最初に成型したものは
最後の成型が終わる頃には乾燥してしまっています。
できるだけ成型中の生地以外の待たせている生地は(成型前の丸めた生地や成型後の生地)
空気に触れないようにラップをするなどの工夫しましょう。
仕上げ(2次)発酵中
仕上げ発酵中はオーブンの発酵機能や発酵器をお持ちであれば
発酵器を利用していると思います。
スチームオーブンでも、発酵器でも庫内は意外と乾燥しています。
湿度を保つために容器に沸かした湯を入れておくと湿気を保つことができます。
パンの発酵中の湿度はパンの種類にもよりますが
70〜80%くらいが適しているといわれています。
生地の表面が乾いていないか、途中で確認してみるといいですね。
乾いているようなら霧を吹くなどして
庫内の湿度を保つようにしましょう。
(水をかけすぎてベタベタにならないように注意!)
生地の乾燥を防ぐための5つのポイント
パン作りの行程で乾燥してしまう場面はたくさんありましたね。
たくさんあって大変そうに思うかもしれませんが
基本はどうやったら乾燥を防げるかな?
と考えれば簡単です。
<生地の乾燥を防ぐための5つのポイント>
🍀一時発酵ではラップや蓋などを隙間がないようにきちんと被せる。
🍀ホームベーカリーは捏ね上げ後に中の容器にラップなどしてから発酵する。
🍀ベンチタイムや成型などで待たせている生地はラップや濡れ布巾をかける。
🍀発酵器、オーブン発酵は仕上げ(2次)発酵中はお湯を容器に入れて湿度を保つ
🍀生地が乾いている時は霧吹きで湿らせる。
それほど難しいことではないですね。
冬のパン作りの大敵「乾燥」を防ぐための5つのポイント まとめ
冬のパン作りにおいては室温や生地温度を気にすることも大事ですが
もっと気にしてほしいのは『乾燥』です。
乾燥するとデメリットが多く、パンの仕上がりに影響します。
冬はパン生地が乾燥しないように気をつけて作ってみてくださいね。
あなたのパン作りの参考になればうれしいです。
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